熊本県最古のアーチ式石橋「日渡洞口橋」。石橋と言えば、八代を拠点とする石工集団・種山石工が有名ですが、その種山石工より前に石橋を作ったのが、山鹿の石工・仁平です。安永3年(1774年)、仁平は山鹿市菊鹿町下内田地区にこの橋を架けたことが分かっています。
山鹿には、このほかにも多くの石橋が存在しています。
大坪橋は幕末の慶応元年頃(1865年頃)宗方・中村地区の住民が水不足に悩み、寺島井手の用水を引くため吉田川へ架けられたものです。この橋は山都町にある通潤橋につぐ全国2位の用水橋で、二連橋として、すばらしい造形美をみせる石の芸術です。しかし、吉田川河川改修工事に伴い昭和59年(1984年)に山鹿市立博物館前に移設されました。
その他にはどんな石橋があるの?
桜とツツジで有名な日輪寺にある湯町橋。文化11年(1814年)に完成した橋で、豊前街道が吉田川を渡る山鹿口に架けられていました。昭和49年(1974年)河川改修に伴い、この地に移設されました。
山鹿市平山にある平山橋は文久元年(1861年)に架けられました。この橋を架けた石工など関わった人々の記録は見つかっていませんが、平山を通る主要な道筋は必ず平山橋を通るようになっていました。長い歴史を持つ平山橋ですが、平成23年(2011年)に県道工事に伴い解体されました。現在は、近くの公園に移築されています。